言葉が生まれること
〜蝋燭とともに届けるメッセージ 〜
蝋燭をお届けするとき 添えているメッセージがあります。
短い一文のものもあれば
一枚の紙に綴った、少し長い文章もあります。
いつから始めたんだろう。
最初にpillarキャンドルに添えるメッセージが生まれたのは 2015年ごろだったかな。
それから少しずつ増えて、
今ではいろいろ合わせて80種類くらいある。
数えればわかるのだけれど、 数えてもきっと忘れてしまう(笑)
今でも増え続けているし。
そんな言葉たちが
どんなふうに生まれ
蝋燭とともに旅立っていくのか。
少し綴ってみようと思います。
言葉は、突然やってくる
メッセージを書くために
決まった時間を設けてはいません。
こういうテーマで書こう。
こんな言葉を届けよう。
そうやって考えてつくることも、ほとんどない。
火を眺めているとき。
何かをつくっているとき。
日々の暮らしの中で、
ふと湧いてきたこと。
印象に残ったり
腑に落ちたり
響いたり。
そんな言葉を、ひとつひとつ残してきた。
それでね。
言葉がやってくるのは
必ずしも都合のいいときとは限らない。
よくあるのが、蝋を注いでいる最中。
両手が塞がっているときに限って
言葉が頭の中でこだまし始めるんです。
これ結構、大変
その瞬間を逃してしまうと
何だったっけ?と
思い出せなくなることもあるので
手を離せるようになるまで
言葉を何度も繰り返しています。
そして、
手が空いたらすぐにメモ。
急いでいるから
手についた蝋もあまり気にしていなくて。
気がつけば、
携帯電話もボールペンも蝋まみれ。
そんなことがしょっちゅうある。
音符を拾い集めるように
少し長い文章を綴るときは また少し違う感覚があります。
何かひとつの出来事がきっかけになって そこから思い起こす感覚や、心の動き。
そして、どこか遠くから投げかけられてくるような音。
宇宙の空間に
いろいろな音が漂っていて
その一音一音を
拾い集めているような感覚。
この音かな。
いや、少し違うかな。
自分が感じたことに近い音を 確かめながら拾い上げていく。
言葉にすると ちょっと不思議な話に聞こえるかもしれません。
わたしにとってはそんな感覚に近い。
出来上がったメッセージには 基本的に手を加えません。
文法として少し変わっていたり
接続する言葉が不思議だったり。
あえてその漢字になっていることもあれば ひらがなやカタカナで綴られていることもあります。
わたし自身が普段綴る文章だったら あとから読み返してここを直そうかな、 と思うこともあります。
けどこうして生まれたメッセージには不
思議とその気持ちが起こらない。
そのまま、何年も届け続けています。 昔の言葉と、今のわたし
最初に生まれたメッセージは
もう10年以上前のものになります。
一作目、二作目、三作目と
少しずつ増えてきましたが、
最初のシリーズは今も変わらず
蝋燭とともにお届けしています。
久しぶりに読み返しても
古い言葉だと感じることがない。
とてもシンプルな言葉たち。
でも、
わたしにとっては基本中の基本というか
日々の暮らしの中に
いつの間にか染み込んでいるようなもの。
なにも考えなくても
なにも感じていなくてもちゃんとそこにある。
そんな感覚です。
それに、以前綴ったメッセージと 何年も経ってから再会すると
こんなことを書いていたんだ!
と、自分で驚くこともあります。
綴ったときのことを
ほとんど覚えていないことが多く、
読む時期によって
以前とは違うものを受け取ることもあります。
我ながらいい言葉たちを発しているなぁ。
なんて、感心してしまうことも笑
どの言葉が届くのか
以前は、
ある時期に書き下ろしたメッセージを
皆さんに同じようにお届けしていました。
そんなことを5年ほど続けるうちに
メッセージも少しずつ増えていきました。
今では、節気に合わせて書き下ろすものとは別に
これまで綴ってきたメッセージを
封筒に入れてお届けすることもあります。
どの言葉が届くのかは
開けてみるまでのお楽しみ。
蝋燭の箱の中に添える短いメッセージも 箱に納めてしまえば どの箱に何が入っているのかわたしにもわかりません。
だから、その言葉を知っているのは 手にしてくださった方だけ。
お客さまからいただくご感想も、 まずメッセージについてのお話であることが少なくありません。
「見ていたんですか?」
「まさに今のわたしに必要な言葉でした。」
そんなお話を聞くたびに わたし自身も驚いたり嬉しくなったりしています。
何年も前に綴った言葉が今、
誰かの暮らしの中で響いている。
そのことが、とても不思議で何度経験しても感動します。 言葉を受け取るということ
同じメッセージでも 読む人によって 受け取るものは違うのだと思います。
そして、同じ人でも読む時期が変われば、
また違うものが見えてくることがあります。
メッセージについて お客さまとお話しすることもあります。
どんなふうに感じたのか。
なにを受け取ったのか。
そんなお話を聞かせていただくのは わたしにとっても嬉しい時間です。
でも、
その言葉が何を意味するのかを
わたしから先に説明することはあまりありません。
綴った言葉ではあるけれど
受け取った方の中でどんなふうに響いたのか。
そこに生まれたものを大切にしたいと思っています。
蝋燭をお届けするとき わたしはいつも
「どうぞ行ってらっしゃい!」
そんな気持ちで送り出しています。
言葉たちも同じ。
わたしの手元で生まれた蝋燭と
いつか拾い集めた言葉たち。
それぞれが誰かのもとへ届き その人の時間の中へ迎えられていく。
そこから何が生まれるのかはわたしにはわかりません。
また言葉が浮かんできたら
忘れないうちに拾い集めて。
蝋まみれのボールペンで 書き留め続けます。


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